採用~実は、最強の会社の守護神~
どうも、弁護士の山口真彦です。
本日のテーマは、「採用」です。
日本は有業員を辞めさせることのハードルが極めて高い!
これを聞いている皆さんであればご存知の方も多いと思いますが、日本の労働法は、世界的に見ても、従業員を辞めさせることが極めてハードルが高いです。
一度雇ってしまうと、仮にその人が問題を起こす人であっても、解雇することはなかなかできません。
じゃあ、このような問題社員にはどのように対処したらいいのでしょうか?
この点については、別の機会でお話しようと思いますが、今回は、最強の問題社員対策を皆さんにお伝えします。
それは・・・
「そんな人をそもそも雇わない!」
です。
いや、そんなんわかってるよ、それができたらこっちだって困らないよ。そう思いますよね。
けど、皆さん振り返ってみてください。
- 本当に労働法を理解した上で、採用活動に取り組んでいますか?
- 採用面接等の機会に、履歴書や職務経歴書以外にアンケートやテスト等をちゃんと実施していますか?
- 履歴書のチェックポイントはわかっていますか?
- 面接で質問する際にすべての質問に明確な意図を持って質問をしていますか?
どうでしょうか?また、採用に関して次のような誤解を持っていませんか?
- 男女雇用機会均等法があるから、男女比を考えながら採用しないといけない。
- 個人情報保護法があるから応募してきた人の病歴とかが聞けない。
などです。
どうですか?これらはすべて間違いです。
誤った理解のせいで、意外と採用活動が萎縮的になっていませんか?
実は、労働法において、採用は会社側に大きな裁量が認められています。
すなわち、ちゃんと労働法を理解した上で、そこに心理学的な見地等を取り入れて、採用の仕組みを構築することで、高い確率で問題を起こすような人を振るいにかけることができます。
日本の労働法は会社側に厳しいからと言ってなんでもかんでも萎縮する必要はないのです。
特に、採用に関しては、会社に認められた重要な権利です。
採用が、会社の戦略的な人的資源の管理を実現する上で、重要な手段であることを理解し、すぐに採用の仕組みを見直しましょう。
その前提として、これから、採用に関する労働法の規制等をお伝えします。まずは、これの理解からです。
それでは、前置きはここまでにして、本題に入ります。
労働法における「採用」に関する考え方
まずは、労働法の「採用」に関する考え方ですが、会社には、憲法上、営業の自由が保障されています。
ですから、基本的に、誰を雇うか、どのような条件で雇うかは会社の自由です。
また、採用の前提としての調査も原則として行うことができます。
皆さんの中には、先ほどのとおり、男女雇用機会均等法とか個人情報保護法とかがあるから、一定数の女性を雇用したり、健康診断の結果とかを提出させたりはできないんじゃないの?と思う方もいるでしょう。
しかし、それは誤解です。
男女雇用機会均等法
まず、男女雇用機会均等法は、あくまでも雇用の「機会」を平等にしてねという法律です。
たとえば、女性でもできる仕事であるにもかかわらず、男性をそもそものエントリーの要件にするなど、性別等で差別しちゃダメ!という法律です。
つまり、結果的に男性のみを採用したとしても即座に違法というわけではありません。
男女雇用機会均等法は、従業員の●%は女性にしなければならないということまでは求めていないのです。
採用における健康調査は個人情報保護法違反?
次に、採用における健康調査の問題ですが、面接で過去の病歴を聞いたり、採用の前に健康診断を受診させその結果の提出を求めたりすることはダメなんじゃないか?という点ですが、結論をいうと、問題ないです。
というか、健康に関する情報は、採用に当たっては非常に重要な情報ですから、会社はむしろその情報の提出を求めるべきです。
もちろん、想定されている業務に必要な範囲であり、必要のない範囲を超えて情報を集めることはいけません。
個人情報保護法との観点でいうと、結構勘違いされている方が多いのですが、個人情報保護法は、個人情報を集めることを禁止するものではなく、集めた個人情報をちゃんと保護してねという法律です。
ですから、基本的には、本人の同意があれば健康に関する情報を集めることはできます。
それを本来の利用目的である「採用のため」という目的を超えて利用してはならないということです。
ですから、特に近年よく聞く、メンタルヘルスについてですが、センシティブなイメージが強いため、会社はメンタルヘルスに関する病歴を聞いてはいけないのではないかと思うかも知れませんが、聞くことは問題ないのです。
ただ、聞く際には配慮が必要になりますので、その点はご注意ください。
なお、HIVなどの一定の病気については、原則として情報の取得が禁じられている場合もありますので、ご注意を。
採用は法律を理解することで大きく変えることができます
さて、ここまでの話を踏まえると、自社の採用活動がかなり萎縮的だったなと思う方もいらっしゃるのでしょうか?
もちろん、これだけで問題社員予備軍を見分けることができるわけではありませんが、法律の観点からすると、会社の採用はかなり自由に認められているんだということを理解してください。
弊社では、皆様の採用活動を支援するため、心理学等の理論的裏付けとこれまでの経験・ノウハウを元に、問題社員予備軍を高い確率で振るいにかけることができる情報を提供しております。
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皆さまの採用を大きく変えることをお約束します。
それでは、本日以上です。ありがとうございました。