労働法とは~労働法なんて法律はないんだぜ~
こんにちは。弁護士の山口真彦です。
本日から主には経営者の方に向けて、経営において重要な法律についてわかりやすく解説をしていきたいと思います。
まず、最初は、会社にとって最も重要な財産である人材に関わる法律、労働法です。
労働法について、複数回にわたり、会社経営において重要なトピックを一つずつお話していきます。
そもそも労働法って何?
早速ですが、本日は、そもそも労働法って何?っていうところからお話したいと思います。
では、皆さんお手元の六法で労働法1条を引いてみてください。
と言っても、そもそも、六法を持ってないですよね。もちろん、六法を準備していただく必要はないのですが。
仮に六法を持っていたとしても、実は、「労働法1条」ってないんですよ。
労働法という法律自体が実は存在しないんです。
じゃあ、日常的に耳にする「労働法」って何?って話なんですが、労働法とは、労働にまつわる様々な法律の総体のことを言います。
仕事を探す場面では
たとえば、労働者が仕事を見つけやすいように職業の紹介が行われたりしていますよね?身近なところでいえば、ハローワークとか。
このように、労働者と企業とをマッチングさせるために制定された法律として、「職業安定法」があります。
このような法律は、企業と求職者が労働契約を交わす前に、より求職者が仕事を見つけやすいように国が政策として行っているものになります。
この他にも、高齢者、障がい者、外国人などは就職しやすいように支援するための法律もあります。
就職する場面では
その後、無事に労働契約を交わして就職した労働者と企業との労働契約関係を規律するのが、皆さんよく聞く、「労働契約法」や「労働基準法」です。
これらの法律は、労働契約を締結する際や締結した後の労働者と企業との個別の関係を規律する法律です。
雇用期間中の場面では
さらに、労働組合というものを皆さん聞いたことがあると思いますが、労働者が自分たちの労働条件や環境を改善するために団体を組織して、企業と交渉を行うことが法律上認められています。
そのような労働者の団体的な行為について規律しているのが、「労働組合法」になります。
このように、ここに挙げた法律以外にもあらゆる法律が、仕事を見つける場面に始まり、就職から労働契約の終了まで、雇用期間中の団体での行為など、労働に関わる様々な場面を規律しています。
その法律の総体が「労働法」なのです。
次回以降、私の配信では、その中から特に会社経営において重要なトピックを解説していきます。
単なる法律の説明にとどまらず、実際の現場ではどうすればいいのかなど、実践的な話もしっかりしていきますので、ぜひ普段の経営にも活かしていただければと思います。
それでは、これからよろしくお願いいたします。
本日は、以上です。ありがとうございました。