傷害慰謝料の計算をしよう!

傷害慰謝料の計算をしよう

ウィンベル合同会社です!

今回は、「傷害慰謝料」についてご紹介します。

計算方法が決まっているので、仕組みを理解して計算できるようにしましょう!

1.傷害慰謝料とは?

傷害慰謝料は、交通事故等によって負ったけがに対する精神的苦痛を賠償するものです。

けがの程度や治療期間などを基に計算されます。

2.算定期間

受傷日から治療終了(症状固定日)までの入通院期間。

   
  • ※症状固定とは、交通事故で負ったけがの治療が進んでも、それ以上の回復が見込めなくなった状態のことを指します。症状固定となると、治療費や休業補償など傷害部分に関する支払いが終了します。

3.計算方法

計算方法には、裁判基準、自賠責保険基準、任意保険会社基準があります。基本的に弁護士からの請求は裁判基準で計算します。

なお、裁判基準は、「赤い本」に記載されている入通院慰謝料の別表Ⅰ・Ⅱを使用します。

別表Ⅱはむちうち、別表Ⅰはそれ以外(骨折等)の場合に用います。


入通院慰謝料(別表Ⅰ)
入通院慰謝料(別表Ⅱ)

表の見方

例1:むちうちの人が6か月通院した

別表Ⅱの通院6か月のところを見て「89万円」と分かります。

入通院慰謝料(別表Ⅱ)
例2:骨折の人が1か月入院し、その後6か月通院した

別表Ⅰの通院6か月、入院1か月の交差するところを見て「149万円」と分かります。

入通院慰謝料(別表Ⅰ)

しかし、総通院期間が毎回◯か月ぴったりということはありません。◯か月と◯日という端数のあるパターンの計算もできるようになりましょう。

それでは、「むちうち、総通院期間が200日」というパターンで見ていきましょう。

①|総通院期間を◯か月と◯日に変換

200日→6か月と20日。

②|「◯か月」部分の慰謝料を確認

別表Ⅱより、6か月のところの金額を確認→89万円

③|端数「20日」の慰謝料を計算

端数「20日」は、7か月目の30日間内の日数です。7か月目の慰謝料を日割りすることで求めることができます。

★求め方
事故日〜7か月までの全体の慰謝料(97万円)から、6か月目までの慰謝料(89万円)を引いた金額が7か月目の1か月間の慰謝料(8万円)となります。

この金額を30日で割り、1日あたりの金額を求めて20日をかけます。

(97万円 - 89万円)/ 30日 ✕ 20日 ≒ 5万3333円

計算方法
④|②+③をする

89万円 + 5万3333円=94万3333円

以上のように計算をします。

仕組みを覚えるのが少し大変ですが、正確に計算していきましょう。

4.注意点

「2. 算定期間」のところで、慰謝料の算定期間は【受傷日から治療終了(症状固定日)までの入通院期間】と記載していますが、通院期間が長期の場合もあります。

症状・治療状況・通院頻度等を鑑みて、長期間かつ実通院日数が少ない場合は、実通院日数の3.5倍、3倍を通院期間として算出する(3.5倍ルール、3倍ルール)こともあります(別表Ⅰ→3.5倍、別表Ⅱ→3倍)。

なお、こちらは受傷日から治療終了までの期間で算出・請求していても、保険会社からは3倍ルールでの算出を主張されることもあります。

慰謝料計算の際に上記のようなリスクがないか確認するとよいでしょう。

5.終わりに

今回は、傷害慰謝料の計算方法等についてご紹介させていただきました。

次回もどうぞお楽しみに!